けたろうさんのことがそれとなくわかるところ
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「そうか、もう君はいないのか」読了。(6日くらい前に)
決して、理想の夫婦像を語ったり、恋愛論を説いたり、家族の在り方の説法をしたりといったことはなく、ただただ淡々と妻との思い出を語り続ける。城山三郎氏の遺稿を没後にそれらの断片を取りまとめたものなようで、書き終えてはおらず、まとまりとしての推敲を作者自身が行っているわけではない。しかし、自分の置かれている状況を語ることがすなわち妻との関わり方を思い起こす作業だったのだろう。心底から奥さんを頼りにしていた氏の様子がうかがえ、それが様々な挿話同士をばらけることなく強く結びつけている。
最後の娘さんのあとがき的な文章がずるい。城山氏の思いを裏打ちし過ぎる。
そういった構成から、小説として見るなら評価してはいけないようにも思うが、エッセイ的な読み物として触れるには様々な感慨をもたらしてくれる一冊ではないだろうか。前述の通り、彼は自分たちはこうだった、という夫婦の歴史を書き出しているだけだから、きっとその感慨は、自分の生活に通ずる何かなのだ。
もし読みたいという人がいるなら貸しますよ。1200円という値段に対して考えると分量は少ないので、割高感はあるかもね。
○GD作業状況
あらためてテーマを先鋭化。時々の気分で書きながら題材を盛り込み過ぎてブレブレになるのは僕によくあること。
狙う文体や物語の構造も明文化しておく。プロットワークはその後に。
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