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けたろうさんのことがそれとなくわかるところ
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ある意味で、先日のTGPの話と対になる話。

僕の勤め先であるゲーム開発会社は、いわゆる「版権物」を多く扱っている。
自分が直近までやっていた「REBORN!」は週刊少年ジャンプ連載作品であるし、その前の「ハルヒ」はここ数年内最大級ヒットの小説作品である。僕が直接は関わっていないタイトルにしても、おおむねはそんな調子だ。
そんなわけで、「次の仕事は○○○(タイトル名)かも」といった話や、「どこそこの会社で△△△を作ってる」といった類の話は色々と聞こえてくる。
あいにくと漫画家や作家本人と接する機会に僕は恵まれていないが、窓口たる担当編集等には会うことにはなったりするので次の展開を聞くことになったり、アニメの製作スタッフなんかと話す中で思わぬこぼれ話を聞くこともある。
版権物のゲーム化というのは、大半が「書籍⇒映像媒体⇒ゲーム化」という流れであるので、仕事の流れで言うと二次創作どころか三次創作ということになる。
しかして著作権者から公式に権利を取得して製作しているわけなので、つまるところ僕らはまさに「プロの公式同人作家」といったなんだかよくわからないものになる。

さて、何を言いたいかというと、「周囲」と「僕」との差についてだ。

僕の周囲にはオタクが多いわけであるが、僕は自分が携わったタイトルについてはいわゆる裏話的なことを色々と知っていたり、単純によく読みこんでいたりするので、彼らの口からそうしたタイトルの話が出てくる時、強烈な温度差や造詣の深浅の極端な違いを目の当たりにすることになる。
差があるのは当然のことだと思っている。
僕はそれを仕事にしていて、一抹のプライドがあり、追従を許さないだけの時間をかけている。
世界の誰より身体を懸けている作者に次ぐべく、だ。
だから、大衆はそれで良いのだろう。

しかし、僕はこうした感触の中で、「政治家」と「国民」とか、「王族」と「平民」の間に横たわる、歴然とした支配の根幹を見たような気分になる。
ものを「知らない連中」を「知る者たち」がコントロールしている、という構図だ。
完全なるトップダウン。
近年はインターネット内を中心に、「知らない連中」の声を直接目の当たりにする機会が増えているが、彼らは「知る者たち」に比べて圧倒的に数が多いので、力による統制の少ないインターネットという環境下においてはこれらが数の威力で大勢に思え、フラットに見えてしまう。
そのせいで、「知らない連中」に過ぎない人たちが「知る者たち」の領域へ足を踏み入れかけているのではないかと勘違いしてしまっていることが多くあると思う。
継続的にということではない。瞬間的にそう思ってしまう時があるはずだ。僕とてそうだ。
しかし、薄々知ってはいるはずだ。自分たちがなんてことない者でしかないということを。

だからこそ鬱屈とした気分が芽生えたりしていないだろうか。
ネットが傍らにある状態で青春時代を過ごした僕らのような世代以下の人間たちにある、どこか無理に大人びた感じや結局子供じみた感じや退廃的な意見を口走りがちな体質は、「不明確なままシステムの存在を体感してしまったこと」によるのではないか、と思わないではない。
「結局自分が何をしても世の中は変わらない」
多くの意見を同時に耳にすることが可能となった今だからこそ、そんな感傷を抱きがちなのだ。

しかし、そんな風に物事を理解したフリをしてしまっていないだろうか、と問いかけたくもある。
そういう人にこそ僕は「だからお前は馬鹿のままで、もの知らない人間のままなんだ」と言ってやりたい。
世間的に見れば、世界的に見れば、僕の日々やっていることなんて全然大したことではないだろう。
そんな僕に「すごい」なんて言葉を与えてしまうお前らは今すぐ考え直せ。
フラストレーションがあるなら脱却を目指してあがくなり、障害と見れば叩き壊す気概を持つなり、周囲にそんな気分の人間がいないか目を配るくらいのことはしてみろ、と。
できないならやり方を叩き込んでやるから頼ってこい。

ある頃から、専門学校の同級生たちの飲み会に参加するのが大嫌いになった。
そんな気分を強烈に感じるようになっていったからだった。
そして、今のままなら、TGPもそう遠くないうちにそんな場所になってしまうのではないか、という危機感がうっすらとある。
そうした場が嫌だったから、自分で作ってみようという気になったのに。
僕は説教臭くて、おせっかいで、異様に自分本位な人間だ。
気に入らないものなら、手の届く範囲なら、殴ってでも撫でてでもどうにかしたいと思ってしまう。
ああもう色々気に入らない。でもほとんど全部、切り捨てるのは無理。
だからフラストレーションを糧にあがいて壊してしてみる。

なかば強引に話をスライドさせてしまったが、ゲーム開発の話から飛躍したとあなたは思うだろうか。
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